ウェルトロン2001 (WELTRON 2001) は、株式会社竜人に所属していた工業デザイナー、真栄一雄氏により設計されたオーディオです。
(8トラックテープとラジオの再生が可能)
日本の電化製品のスペースエイジを代表する存在で、世界的にファンを抱えるコレクターズアイテムです。
ウェルトロン 2001 (WELTRON 2001) の販売実績
実は当初アメリカでの販売を目的に1000台のみの限定で販売されたようですが
その近未来的な独特なフォルムとデザインから
当時木製でボックス型のオーディオしか見たことがなかったアメリカ人の度肝を抜き、
瞬く間にヒット、右肩登りにと売り上げを伸ばし最終的には実に約60万台の売り上げを記録しました。
以前ご紹介したVictorのビデオスフィアと同様に宇宙服のヘルメットのような球体デザインなので、経緯も同じと思きや真栄一雄氏によると、ただ丸いカタチにしたかっただけだったようです。
株式会社竜人
その後アメリカでのヒットから波に乗り、8トラックプレーヤー「2004」「2010」、レコードプレーヤー「2005」「2007」や、スピーカーからギタートレモロエフェクターとマイクエコー(リバーブ)を一体化したプリアンプまで、他の追随を許さない独特なデザイン性のモデルを次々に発表。
ヒット商品から世界的に知名度が高まった事もあり、日本での販売にも踏み切りましたが、日本での反応は厳しいものでした。
80年代になり、為替相場変動でアメリカでの販売の利益が激減した事から84年に株式会社竜人は解散、15年に及ぶWELTRONシリーズの歴史に幕を下ろす事になりました。
皮肉にもこの頃、日本では大阪万博からの爆発的なスペースエイジブームが到来、各メーカーは挙ってスペーシーな家具家電を作っていました。
竜人は倒産しましたが、WELTRONシリーズには現在も根強いファンが多く、万博以降のスペースエイジブームにもデザインを模したものが多く作られているように感じます。
しかし、その『模したもの』もけしてパクリではなく、デザイン性もWELTRONには無い優れた面があり、高め合いのような関係を気付いた、登場が早過ぎたまさに時代の先駆者です。