ケラカラー (Kera Color)とは、1968年頃アーサー・ブレイスガードル(Arthur Bracegirdle) によってデザインされた球体型TVです。
ギリシャ神話に登場するゼウスの雷『Keraunos』から名付けられました。
ポータブルモデルから、20~26インチまでのサイズ、カラー展開もあり、
脚長のフロアスタンド、ハンギング用モデル、木製エフェクト、8トラックプレーヤーを内蔵したモデルまで種類は多いです。
大型ブラウン管のサイズ感と近未来的なフォルムには圧巻で、インテリアとしても素敵です。
後発にあたるビデオスフィア影響を与えたとも思われ、同様にヘルメットを彷彿させる、これぞスペースエイジといった印象ですが、四角いモデルも存在しています。
こちらはデザイン上個性を潰すと考えられた為かあまり評判はあまり良くなかったようです。
ケラカラーの希少性
スペースエイジデザインのTVでは、
後にご紹介しますが、アルフェリオンTV(通称パルカラー)と共に2大巨頭のような存在で
レア度、金額共にビデオスフィアを軽く上回り、コレクターなら喉から手が出る程手に入れたいレアなアイテムです。
70年代当時の販売価格が375ポンドと非常に高額だった事もあり
7年に渡る販売期間で実際に製造された数は、初期のモデルを含め僅か2000台に満たないそうです。
(マテリアルチェンジが入る前の初期モデルは販売台数200台とさらに少ない為、こちらが実質上最も珍しいコレクターズアイテムです)
再発が望む声が多かった為か、アーサー・ブレイスガードルとの全面協力と元のシェルを使い再発版も出たようです。こちらは、ソケットやテキスト、サウンド、リモコンなど、改良が入っています。
これから欲しいと思った方は、
日本での出品例は少なくまず滅多にお目にかかれませんが、
少ないながらもebayでは時折見かけますので、小まめにチェックすると良いかもしれません。
しかし、問題はその希少性だけではなく、海外でのみ販売されていたアイテムに常に付き纏う、とある問題を克服しなければいけません。
それは電圧、周波数と内部構造の違いです。
関東(50Hz)と関西(60Hz)でもヘルツに違いがありますが、
購入を考えられている方は世界的なコレクターとの熾烈な争いと、高額な空輸代を乗り越え、かつ中身の入れ替えや改造する強い覚悟が必要になります。
ですが、
現在でもその希少性から相場は上がっています。探すのには時間も苦労もかかりますが、その分手にした時の喜びは変えがたいものになるかもしれません。
それでも欲しくなってしまう魅力がこのTVには確かにありますので、皆さまの良い出会いの切っ掛けになれれば幸いです。