ビクター GB – 1H ( VICTOR )は、1974 年頃ビクターから販売された球体型のスピーカーです。
チェーンで天井から吊るしたり、
当時販売していた専用スタンドがあれば 床に立てたり、自由な使い方が可能な 全無指向性のスピーカーで、別名 グローブスピーカー (Globe speaker)とも呼ばれています。
こちらは、私がウレタンの白に塗装したものですが、
本来は ツヤなしの シルバーのシャーシ で仕上げられています。
余談ですが、
ビクターと言えば、当時 スペースエイジ にかなり力を入れていた企業で、
日本 スペースエイジ界の 有名選手である、ヘルメット型 TVの ビデオスフィア には世界中に多くのファンがいらっしゃいます。
ビクター GB-1H ( VICTOR ) の仕様
低音域にクルトミューラー製の 13 cm の KDUコーン型 ウーファーを4つ、
高音域には 7 cm のコーン型 ツイーターを 4 個搭載しています。
正面にだけ スピーカー がついた一般的な物とは違い、
球体全てから流れる、音の波に溺れるような “ 独特な音域 ” で意外にも高音質です。
ABS 樹脂による、球形密閉型を採用しており、
球体内部にはエステルウール吸音材が詰められています。
これにより、360 ° 全方向に対して、ほぼ均一な音圧を出すことが出来るようです。
以前、クラッシックオーケストラをやっている知人の家に遊びに行った事があったのですが
職業柄か、彼は木製の凄く大きな、凄く低音の出るスピーカーを 何台も置いていました。
クラシックに詳しくなかった私は、クラシックって低音って重要なの?と聞くと
『 クラシックこそ低音が重要なんだ …!』
と熱弁され、配線や電圧なども丹丹と話してくれました。
そうだったんだ!
と驚いたのと同時に、
私の持っていた GB-1H の事も聞いてみようかな・・。と発作的思い
思い切って画像を見せてみると、
球体型の見た目がふざけて見えたのか、かなり馬鹿にされました…。
そこで、
スペックを見せてみようと思い立ち、早速 詳細を見せてみると 顔色が変わり、
『 あれ? 』
『 これ意外に良いスピーカーだぞ 』と言ってくれました。
GB-1Hの現在の相場
ちなみにですが、なんとこちらのスピーカー、
1974年頃の販売価格は 1 台あたり ¥49,500 とかなりの高額品だったようです。
この頃の高卒の方の初任給の平均が ¥59,200 程だったそうなので、
当時かなり気合の入った スピーカーだったということがわかります。
この他にも、
初期型の 【GB-1D】後期の【GB-1E】【GB-1O】等
シリーズ化されていますが、E以降は 電圧の調整が 必要とも聞いています。
※GB-1H の現在の落札相場は、状態にもよりますが、1台当たり 4000 円~ 10000 円程で、度々ヤフオクにも出品されているのでよかったら見てみて下さい。
※我が家では、チューナーを経由して ウェルトロン 2007と繋いで、使っています。
ちなみに、
このスピーカーの接続端子は、当時のビクターの独自規格のようなので、修理に関しては絶望的です・・。
以前 端子の調子が悪くなり、なんとかならないかな、と私なりに探しまわり
メーカーも修理を受けれないそうで、
最終的に 秋葉原のパーツ屋まで 出向きましたが、
『こんな端子初めて見た!』
『ここを曲がった先のお店のおじさんなら分かるかも』
『あそこの お店のおばさんの方が詳しいかも!』
と、皆さん 興味深々に 本当に親身に探すのを手伝ってくれましたが、
肝心のパーツは見つりませんでした …。
最終的には、自分達でオーディオを組み立てているという お店を紹介され、そこの店員さんに 聞いてみると
『民生品なんか知らん!』
と 顔面をプルプルさせながら 何故か 凄い剣幕で激怒され、
聖域に踏み込んでしまった後悔と、そんな言い方しなくてもいいのに…。
と、ムッとした私は、自分で ハンダで 修理しました。(笑)
ダメージが少なかったのが良かったのかもしれません。
老婆心ながら、もし中古で落とされる場合は、配線をしっかり確認しておく事をおすすめします。
ちなみに、
スピーカー脚の 純正スタンドは 滅多に出回りません、
デザインもやや武骨で、何か代用品はないかな。というのが一時期の悩みでした。
私なりに、土台に 良い物も探して 試し続けた結果、
こちら のスツールを分解改造するのに落ち着きました。
タムタムポップというスツールで、価格は 4000 円程とお手軽なので、改造は力技ですが 満足度は高いと思います。
※ タムタムポップの記事に詳細を書かせていただいたので、
ご興味がある方は こちらも ご参考にしてみて下さい。
それでは今後も、まだまだ紹介しきれない 素敵な スペースエイジ プロダクト が沢山ありますので、順次 更新していきたいと思います。